立憲民主党 枝野幸男代表 演説全文(10月4日中野)
<冒頭>
たくさんの皆さんにお集まりをいただいたり、足を止めていただきありがとうございます。立憲民主党代表の枝野幸男です。このままでは選択肢がない。しっかりと私たちの声を受け止める、その受け皿を用意してほしい。多くの声を頂きました。「枝野立て」と言っていただきました。でも、新しい党を作るなんて、一週間前には、全く考えていなかったことです。ためらいもありました。不安もありました。誰よりもすぐそばで背中を押してくれたのが長妻昭さんでありました。
「お前が立て。お前が立って呼び掛ければ、多くの仲間がその声に応えてくれるはずだ。一緒にやろう。」背中を押してくれた長妻昭さんと共に、この国の政治と社会をまっとうなものに戻しましょう。政治や社会の在り方を大きく転換しましょう。
<生活、経済>
分断という話があります。格差が拡大をして、ごく一部の人がどんどん豊かになる一方で、貧困が拡大をする。20年、30年前には当たり前であった暮らしが、当たり前ではなくなっている。それは当事者の皆さんの問題だけではない。社会全体が荒廃をしていく。その道筋を誰かが止めなければならない。
格差の拡大を放置して、貧困にあえぐ人を放置して、そんな社会が、みんなが幸せになる社会であるはずがない。富める者を、強い者を強くすることで、社会全体を引き上げるという、上からの政治ではなくて、厳しい環境にある人を、苦しんでいる人を、社会を下から支えて押し上げる。こうしてこそ、日本の社会は前に進んでいくんではないんですか。
そんな社会を作るために、政治が変わらなければならないんです。
<民主主義>
民主主義とは、強いリーダーが自分の考えを国民に押し付ける、そんなものではありません。民主主義とは、選挙で勝ったから、たまたま国会で今数があるから、何でも好き勝手にやっていい、それは民主主義ではありません。民主主義とは、国民の皆さんが主役の政治です。みんなで相談してみんなで決める。でもみんなではできないから、代表を選んで、代表である議員が議論をして、そしてそこでしっかり話し合った結果として、どうしても決められないときにだけ、じゃあ多数決で決めましょうよ。これが民主主義なんです。
たまたま数を持っているからといって権力を私物化したり、それがばれそうになったら、法の趣旨に反して情報を隠したり、取っておかなければならない書類を捨てちゃったり、こんなことを堂々と行って、国会で追及されても開き直る。これは民主主義ではありません。
<立憲主義>
権力を縛るルールを、憲法といいます。私たち国民の皆さんは、法律というルールを守らなければペナルティを受けます。権力を持つ者にとっては、憲法というルールに従わなければ、ペナルティを受けなければいけないんです。
その憲法の解釈を勝手に変えておいて、開き直って、その解釈を勝手に変えた憲法違反のものを後から追認しろというかのように、自衛隊を書き加える。こんな開き直りはありません。こんな憲法改悪は許してはいけません。
今たまたま権力を持っているから好き勝手にやっていいんだと思っている、こうした間違った民主主義を、本来のまっとうな民主主義に戻そうではありませんか。
<政治姿勢>
全ての人の声に、全て応えることはできません。でも、でもできるだけ、皆さんの暮らしの現場の声を、一人ひとりの声に寄り添う。その努力がまず政治の第一歩ではないでしょうか。私たちは、そんな草の根からの政治を、草の根からの民主主義を作り上げていきたい。上からの経済か、下からの経済か。上からの民主主義か、草の根からの民主主義か。これは上からか、それとも下からか、草の根からかの戦いです。
<税制>
片方で過去最高の収益を上げている。そして企業にとっての貯金である内部留保が過去最大になっている、その法人税を減税しておいて、国民の皆さんには消費税をもっと払え。そんな理不尽なことありますか。将来の安心のためには、国民の皆さんに負担をお願いをする、そのことも必要です。でもそのためには大前提がある。ちゃんと公平な、公正な税の制度であること、仕組みであること。その税がしっかりと、正しくきちっと無駄遣いされずに遣われているかということ。そしてそれを扱う政治が信頼をされているかということ。その信頼なしに、消費税を上げるなんていうことは、許されるはずがない。私たちは、そう思っています。
<原子力発電所>
あれだけの大きな事故を起こした原発、いつの間にか忘れられていませんか。あの3.11の直後の、東京の皆さんも感じたでありましょうあの危機というものを忘れてはいませんか。日本は広島・長崎という原子爆弾の被害を受けた唯一の国です。そして本当に世界で数少ない、原子力発電所の事故によって、多くの皆さんが避難をして、ふるさとに帰れないという事故を起こした数少ない国です。その国で原発ゼロに向けた最大限の努力をしない。こんなおかしな政治を続けさせていいんでしょうか。
<まとめ>
私たちは、生まれたばかりの、よちよち歩きの政党です。皆さんに支えていただき、皆さんと共に歩かせていただくことなしには、前に進んでいくことはできません。でも上からの、俺が決めたんだからあとはついてこいという、こういう政治だけで本当にいいのか。みんなで一緒に作って、みんなで一緒に前へ進んでいこう。こういう政治を皆さん、私たちと一緒に作ってください。
是非一緒にこの国の民主主義の新しい一歩を、長妻さんと枝野幸男と、皆さんと作っていきましょう。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
※他の方々も演説されていた関係で、必ずしも枝野氏の発言を網羅的に全て記載しているわけではありませんが、上記の内容自体は枝野氏の発言をそのまま書き起こしたものです。
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